2020年度プロジェクト研究

市場に関する研究部会

代表者

井上哲浩(慶應義塾大学)

研究計画概要

 消費者行動研究において、カテゴリー研究は、認知心理学的研究を基礎とした主たる研究分野の一つである。マーケティング・サイエンスにおいて、競争市場構造分析は、計量的アプローチを基礎 とした主たる研究分野の一つである。本プロジェクトではこれらの融合を試みる。

社会問題とコミュニケーション研究部会

代表者

西尾チヅル(筑波大学)

研究計画概要

 地球環境問題、SDGs、IoTやICT等の高度情報通信技術の進歩、少子化と高齢化の進展、ソーシャルメディアの台頭等のさまざまな社会課題と消費者行動との関係を、マーケティング・サイエンスの観点から多面的に分析し、それらの領域におけるマーケティング・コミュニケーションの役割と課題を明らかにする。

コンテンツ&キャラクター・マーケティング研究部会

代表者

荒木長照(大阪府立大学)

研究計画概要

 その昔コンテンツと言えば、お金を出して読む観る聞くための一方的に与えられた、比較的高額な商品であった。現在では、デジタルコンテンツが主流となり、消費者の情報発信力が強くなったため、安価で消費者参加型のコンテンツも多くなってきている。作品それ自身はもとより、ブランドや広告・コミュニケーション、製品デザイン、旅行、教育、医療、地域振興など身の回りにあふれんばかりに、コンテンツやキャラクターが用いられている。本研究部会では、コンテンツやキャラクターそれ自身、あるいはそれらを利用した様々な価値づくりをマーケティングの視点から整理し、理論化・体系化することを目的とする。トランザクション・データ、市場アンケートデータ、インタビューデータなど多角的に情報を組み合わせた分析を試みる予定である。

マーケティングの統計的モデリング研究部会

代表者

伴 正隆(筑波大学)

研究計画概要

 マーケティング研究および実務の世界では、標本抽出法に代表される市場調査などのこれまでの統計学との古い関わり方をはるかに超えて、多変量解析や時系列モデルの応用、MCMCを用いたベイズ統計分析も盛んに行われている。これら大規模データをマネジメントのために解析する統計手法の開発と応用について研究し、最新の統計的モデリング手法を適用して新しいマーケティングモデルの開発との実際の問題へ応用することを研究目的とする。

ブランド・マネジメント研究部会

代表者

豊田裕貴(法政大学)

研究計画概要

ブランド・マネジメントに関する理論的、実務的研究

Webコミュニケーション・データのマーケティング活用研究部会

代表者

鶴見裕之(横浜国立大学)

研究計画概要

 SNSデータやWEB広告出稿データ、シングルソースデータ等のネット上で収集されるデータを、より効率的、効果的にマーケティングに活用する手法を研究会のメンバーとの議論を重ね検討する。3ヶ月に1回程度、部会を開催し、ゲストスピーカーなどを交えつつ、研究報告や意見交換を実施する。

消費者行動の学際的研究部会

代表者

守口 剛(早稲田大学)

研究計画概要

 消費者行動研究は近年大きく進展している。その原動力の一つは、学術的な研究の活発化である。もともと消費者行動研究は学際的な色彩が強い領域であったが、近年ではその性質がより色濃くなってきている。本研究会では学際的なアプローチによって、消費者行動に関する多面的な研究を行う。

マーケティングのデータ分析とモデリング・アプローチ研究部会

代表者

ウィラワン ドニ ダハナ(大阪大学)

研究計画概要

 研究参加者が抱いている、マーケティングに関する諸問題について幅広く取り上げ、その問題に対するデータ分析を行うとともに、その問題をあつかうためのモデル化に取組む。また学術雑誌などをいくつか参照し、現在取り上げられているホットなテーマについてもフォローしていきたいと考えている。

市場予測のための消費者行動分析研究部会

代表者

中山雄司(大阪府立大学)

研究計画概要

 本研究部会では消費者の行動をマーケティング・サイエンス、消費者行動研究、社会学などのさまざまな視点から研究し、市場予測に寄与することを目的とする。今年度は中国人を対象とした消費者行動研究、CRMの実証研究、データ解析コンペティション関西予選の開催などを行う予定である。

学実ブリッジ部会フェーズ3研究部会

代表者

山中正彦(株式会社KSP-SP)

研究計画概要

1 市場特性による製品カテゴリーの整理
2 ブランドにマーケティング施策の組合せ、そのパターンを抽出 
3 市場特性×ブランドの市場ポジションを考慮したマーケティング施策の整理

顧客価値創造のためのコミュニケーション研究部会

代表者

佐藤 伸(CCCマーケティング株式会社)

研究計画概要

 購買履歴やメディア接触など、顧客起点の多面的アプローチによる分析結果をもとに、商品体験の価値を高める取組について意見交換や議論を重ねる。ライフスタイルにあわせた顧客の体験価値を向上させるコミュニケーションについて、アウトプット評価や検証方法について広く知見を集め検討を行う。

顧客データからの深い知見発見プロジェクト研究部会

代表者

清水 聰(慶應義塾大学)

研究計画概要

 昨年度までの株式会社インテージ、公益財団法人ハイライフ研究所、サトー株式会社に加え、公益財団法人流通経済研究所の協力を得て、1)シングルソースデータの分析、2)モバイルによる調査・実験データ、3)購買履歴とTwitter発言をマッチングしたデータ、4)解釈レベル理論をはじめとする、消費者行動の理論とマーケティング・サイエンス理論のより深い応用、5)店内回遊と購買履歴の関係など、新しい顧客データをもとに研究を進めていく。具体的内容は以下の通り。
1)シングルソースデータの分析:
・昨年に引き続き、ホームページやテレビの接触と購買の順番についての研究を行う。一昨年、海外ジャーナルに投稿したが、いまだ採択されておらず、データの追加および分析手法の大幅改良を踏まえた修正を目指している(担当:寺本、清水、斉藤)。
・実験的に運営したクチコミサイトの履歴とその会員の一定期間の購買履歴を用い、口コミサイト内での話題の発生と対象商品の購買との関係の研究を行う。昨年度のINFORMSおよび秋のJIMSで報告済。現在、投稿論文を作成中である(担当:寺本、清水、斉藤)
・同一消費者の10年間の購買履歴を用い、加齢による商品選択の志向変化のモデル化を行っている。一昨年のINFORMS、昨年のMarketing Dynamics Conferenceで報告済。分析に用いる商品マスターの補強を行ったうえで、今年度中の論文化を目指す(担当:石原、清水、寺本)
2)モバイルによる調査・実験
・モバイル上の人々の影響度合いと「いいね」、の関係についての研究。昨年のINFORMSで報告済。今年度中の論文投稿を目指している(担当:斉藤、清水、井上、寺本)。
・モバイルの写真機能を用いて店内プロモーションを撮影し、その拡散を研究したもの。昨年は海外ジャーナルに投稿するもいまだ採択されず、今年度は大掛かりな実験の追加による知見の強化を踏まえた修正を目指している(担当:寺本、清水)。
・モバイルの位置情報を用いた街のブランド力の研究。銀座と新宿を250mメッシュで切り分け、街の魅力を実際に歩いている人にアンケートをとり集計。現在、より深い知見を得るためにデータを分析中である(担当:清水)。
・モバイルの小売店内利用の研究は、プロトコール分析を実際の売上との関係で探る研究。昨年度のACR Asiaで報告済。今年度春のJIMSで報告予定(担当:赤松)。
3)購買履歴とTwitter発言の関係
・インテージの持つTwitterと同じような仕組みのデータと、レシートアプリを組み合わせ、新製品のサンプリング実験を、一昨年、昨年秋と2回実施。一昨年のものはINFORMSで報告済。一昨年と昨年秋の結合データを用いた分析を今年度のINFORMSで報告予定。(担当:清水、寺本、斉藤)。
4)解釈レベル理論をはじめとした理論の応用
・マーケティング・サイエンスのさまざまな手法と解釈レベル理論との関係を探る研究で、新たな理論とサイエンス研究の融合を目指す(担当:石井)。
5)店内の導線と購買履歴の関係
・消費者のあるスーパーマーケット内での回遊と、そのレシートデータを結合し分析。今までにない新しいテクノロジーをベースに店内外のプロモーション効果を探る。昨年春のJIMSおよびINFORMSで報告済。現在、より深い知見を得るためにデータを分析中である(担当:清水)。
 本プロジェクトでは、学会の研究委員会の方針を受け、JIMSの春・秋の学会での報告に加えて、INFORMSをはじめとする海外学会での報告も毎年行っている。今年度は清水、寺本、斉藤がINFORMSで報告し、寺本、清水、赤松、石井がACRへの投稿を企画中である。
 海外雑誌への投稿は、本プロジェクト全体では、投稿してリバイス中なものが2本、今年度中に投稿するものが少なくとも2本、という状況で、投稿はさらに増える予定である。
 本部会では、メンバー構成からも明らかなように、高度な分析手法を駆使する研究者よりも、消費者行動研究者が多い。その特徴を生かして、顧客に関する新しいデータベースを構築し、そこから消費者や顧客の深い知見を明らかにし、より効果的なマーケティング施策に生かせるよう、各人が責任を持って研究を進めたいと考えている。

コンテンツとコミュニケーション研究部会

代表者

小野田哲弥(産業能率大学)

研究計画概要

 部会を月に1回程度、電通本社にて開催する。コンテンツとコミュニケーションに関心を持つ研究者および実務家が参加し、研究報告とディスカッションを行う。SNSを日常的に用いる大学生も招いて若者の実態との整合性をチェックし、理論・モデルの実効性を高める。

消費者行動とマーケティング意思決定の研究部会

代表者

里村卓也(慶應義塾大学)

研究計画概要

 消費者行動とマーケティング意思決定をとりまく環境は大きく急速に変化している。消費者間相互作用や企業と消費者による価値共創、グローバル環境下での市場競争、新しい技術のマーケティングへの導入等々、これらの環境変化は消費者行動とマーケティング意思決定に大きな影響を与えている。本プロジェクトでは、このような新しい環境下での消費者行動とマーケティング意思決定に適応できる、新しいアイデアやコンセプト、手法について探求する。

新しいデータと競争環境の下でのマーケティングサイエンス研究部会

代表者

星野崇宏(慶應義塾大学)

研究計画概要

 近年、IDPOS等のマーケティングサイエンスアプローチが対象としてきたデータだけではなく、位置情報やIoTデータ、種々のデータが生成され、これを利用したマーケティング意思決定が行われつつある。またウェブマーケティングではDSPやDMPといったデータの流通や加工によるサービスの次々登場しており、マーケティング情報取得・利用といった点で大きく競争環境が変化している。既存のデータとこれらのデータをどのように融合して正しい意思決定を行うかがますます重要となっており、これらの膨大なデータから単にマイニングを行うのではなく、背後にある消費者行動を理解するということも必要となっている。本プロジェクトは統計学・機械学習、計量経済学、行動経済学、産業組織論のアプローチを利用しながら、これらのデータからこれまでよりもロバストかつ予測力の高いマーケティングモデルを構築することを目的とする。年間3回(予定)の研究会を慶應義塾大学・関西大学・法政大学・神戸大学・名城大学・東北学院大学などで開催し、春と秋の学会においてプロジェクト報告を行う。またデータサービスや流通小売、ウェブサービスの複数の企業の方々との共同研究を推進する。

ID-POSデータのマーケティングの活用研究部会

代表者

佐藤栄作(千葉大学)

研究計画概要

 データ解析コンペティション合同部会(中間報告会・最終報告会)の開催・運営、ならびにID-POS等データのマーケティング活用のための手法等研究を実施する予定

マーケティングにおけるイノベーションとコミュニケーションの研究部会

代表者

濱岡 豊(慶應義塾大学)

研究計画概要

 マーケティングにおけるイノベーションからコミュニケーションに渡る範囲から、2020 年度は(1)製品開発に関する継続調査の実施、(2)Bottom of Pyramid 諸国における(ユーザー)イノベーション、(3)発信者の能力に注目したWOM 発信の規定要因の解明、(4)事例ベース意思決定モデルの応用研究、(5)放射線疫学データ分析へのマーケティング・サイエンス手法の適用を中心に理論的、実証的研究を行う。大学院授業と連動することによって、修士、博士論文の作成も指導する。

マーケティングの計算社会科学研究部会

代表者

水野 誠(明治大学)

研究計画概要

1.定期的に相互の研究成果を報告するとともに研究の最新動向について情報・意見交換を行う。
2.マーケティング・サイエンスの枠に捉われず、幅広く隣接分野の研究者と交流する機会を得る。
3.以上に基づく研究成果を学会で発表するとともに、学会誌へ投稿を目指す。

消費者・市場反応の科学的研究部会

代表者

阿部 誠(東京大学)

研究計画概要

企業から実際のデータ、特にCRMやOne-to-One Marketingに有用な個人のトランズアクション・データを含んだもの、を使って、それをメンバーの有志が分析、発表し、ディスカッションする予定である。 データとしては、百貨店のFSPデータ、消費者金融系の利用履歴データ、Eコマースサイトのログファイルなどを想定している。
 今年も他のJIMS部会(ID-POSのマーケティング活用研究部会)やCRM研究会(http://www.f.waseda.jp/moriguchi/crm/)との合同活動を通して、経営科学系研究部会連合協議会のデータ解析コンペをサポートする予定である。

東アジアの消費者行動とマーケティング戦略研究部会

代表者

上原 渉(一橋大学)

研究計画概要

 前年度に引き続き、アジア地域における消費者行動と、それに対する企業のマーケティングに関する研究を行う。
 本研究部会は、インバウンド観光客やアジア企業の実証分析を通して、アジア特有の現象の解明を目指す。